虫歯はなぜできるか?
人間の歯は、ちょっとした溶解に対しては復元力がある。溶解の進行が速くて修復が追いつかない場合に虫歯になる。
歯を溶かすバイ菌の巣は、歯に付着した食べ物カス(歯垢)だ。歯垢そのもののPHは 7程度だが、バイ菌が酸を作るとPHが下がる。5.5以下になると歯が溶ける。
歯垢が付着しているとバイ菌が増えて酸が増え、歯が溶ける。だが、歯を磨かなくても虫歯になるわけではない。溶けた部分が修復されるからだ。しかし、間食が多いと溶けるばかりで修復が追いつかないから虫歯になる。
じつは、修復には唾液が大きな役割を果たしている。修復に必要なカルシウムなどの物質が唾液に含まれ、酸性に傾いたPHを戻す作用がある。虫歯になりにくい人は、唾液の緩衝作用が強い人だ。
だから唾液をたくさん分泌するのがよい。硬い物、乾いた物を食べると、食べた瞬間に情報が脳に送られ、唾液がよく出る。情報は、歯と口内の粘膜で感知される。
高齢になると唾液の分泌が減り、歯がないとさらに減る。老人が餅をノドに詰まらせるのは、唾液の分泌が少ないからだ。
歯垢は、歯だけでなく歯肉も傷める。炎症をおこして腫れる。歯周病だ。歯を磨いても歯周病になる人は、甘いもの、肉類の食べ過ぎだ。歯垢のバイ菌は甘いものが好きだし、肉類の脂肪は歯垢を付着させやすい。野菜、小魚、海藻類をよく噛めば、歯垢が剃(そ)ぎ落ちる。
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